自転車旅 道志みちで山中湖へ 往復150km 山中湖サイクリングロード一周 

2023年5月27日土曜日

ヒルクライム ロードバイク ロングライド

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ロードバイク Trek Domane AL 2 Discを購入し、まずしたかったのがロングライド。自転車で車道を走るのに少々抵抗があるので、よく知っていて、走りなれた道志みちで山中湖にチャレンジ。

 ロードバイク自走で自宅から道志みちで山中湖まで行けるのか?

道志みちは16歳の時からオートバイで走ったり、18歳からは車でも良く走っていた。当時は3分の一くらいは未舗装路だった。道志みちで山中湖といえば上り下りを繰り返し最後に山伏峠のヒルクライムがある。車やバイクで走る分には、どのくらいの距離でどのくらいの登りがあるかはわかっているが、自転車で走るとなると想像もつかない。片道約75㎞、往復で150㎞。途中で疲れ果て、走れなくなっても復路がある。行けるだけ行ってそこがゴールでおしまいならいいが、帰ってこなくてはいけない。そこが心配だ。はたして行けるのか?

大変なのは目に見えているので準備はしっかりした。納車の日に自宅まで35㎞ほど走ってお尻が痛かったのでサイクルインナーパンツなるものを購入。サドルに当たる場所にゲルが入ったインナーパンツだ。エネルギーを補充するため大量のアミノバイタル(粉末)とハリボー(グミ)を持った。

いよいよ出発。町田街道を津久井湖方面へ走る。町田街道は少しの区間だが「自転車専用車線」が用意されている。これはサイクリストにとって非常にありがたい。歩行者や車を気にせず走れる。でもすぐに終わって、車道か歩道を走ることになる。旅の喜びと不安とが交互にやってくるような感じで楽しい。「行けるところまで行って」なんて思っているが行けるところまで行ったら帰ってこれないじゃん。そんな事を考えながら走った。

道志みちに入るまでも、そこそこの距離と登りがある。津久井湖の城山ダムを過ぎて「花の苑池」に着いた。この先三ケ木の手前に登りがあるので少し休憩することにした。ここも綺麗な良い場所だ。サイクリストも数名いた。

三ケ木手前の登り(勝手に命名したすき家坂)はそれほどでもなかった。越えて下の信号を左折。青山の信号へ。

道志みちを自転車で走る

青山の信号から道志みちの始まり。いよいよだ。車もバイクも多いがロードバイクのサイクリストも増えてきた。心強い。今まで車やバイクで見ていた光景の向こう側になのだ。

最初の休憩地、セブンイレブンに到着。意外にもすんなり来てしまった。思ったよりも進んでいる(疲労とのバランスが)。でもやはり「走った感」はあり充実している。気持ちいい。

道志みち唯一のセブンイレブン

ここで、おいなりさんやビックフランク等を食べながら他のサイクリストと自転車談義になった。ゴリゴリのロードバイク乗り達。見るからに高そうな自転車だ。二人はトレックだった。一人がずっとしゃべっていて、話し方が上手く面白いので楽しく聞いていた。もう一人はよそよそしい感じだったので、もしかしたら途中で一緒になってそのまま一緒に走っているのかなあと思った。「では気を付けて」と言って一人静かに話を聞いているサイクリストが動き出すと、つられるように、よく話していたサイクリストも動き出した。しっかり聞こえたわけじゃないが、かすかに「それじゃ俺も…」みたいな事を言ったような気がした。自分が「この人たちは行きずりの関係だ」と勝手に思い込んでいたからそう聞こえたのかもしれない。このよく話すサイクリストと一緒に走っていたらさぞ楽しいだろうなと思ったが、一人静かに走りたいとか、一人小さな旅を楽しんでいるとしたら、ちょっと複雑な気もした。旅ではこう言った事が多々あるだろう。登山でもよくあることだ。それも含めて旅なのだろう。

サイクリストが行ってしまった後、一人で電子タバコを吹かしていると、ハーレーにワンチャンを乗せてきているライダーが来た。ハーレーからワンチャンを降ろし散歩をさせた。話しかけずにはいられなかった。「わんちゃん乗せてきたんですか?」と言うと、「連れてこないと怒るんです」と笑った。自分も昔ワンチャンを飼っていた。老衰で亡くなったのだが、家を出る時に置いていこうとすると凄く怒るのを思い出した。怒るというよりは「連れていけ」と猛烈に駄々をこねる感じだが。とても可愛かった。逆に「どこまで行くんですか」と聞かれたので「山中湖まで。行けたらですけど」と答えた。行けなかった場合、どのあたりで行けるか行けないか判断して引き返せばいいのか等と話したかったが、長くなるのでやめた。まだこの時点では本当に行けるかどうか半信半疑だった。まだまだ先は長い、ここは入口みたいなもの。頑張っていこう。ハーレー乗りとワンチャンに見送られて先に進んだ。

ワンチャンを乗せてきたハーレー

セブンイレブンを出て、しばらくは直線やなだらかな登りだが、一気に峠道のアップダウンになる。のんびり走っているのでまだそれほど疲れていなかったが、久保吊り橋で休憩をする。

この吊り橋は昔から知っていて、吊り橋の下で釣りやBBQができたので何度か来たことがあるが、吊り橋の上を歩いた事は無かった。まずまずの高さだった。下には綺麗な道志川が流れていた。昔BBQをやりに来た時、先輩が四つん這いで川にそのまま頭から入って行った事を思い出して笑った。車やバイクでは決まって通り過ぎてしまう場所だ。自転車だと気楽に寄れる。トイレもあるので済ませた。

久保吊り橋

ワインディングロードを登ったり下ったりしながら進んで行く。車とバイクが波のように数台続いて抜いていってはいなくなるのを繰り返した。多分信号で溜まった分連なって来て、それが過ぎると暫く間が空いて静かになるのだろう。

次に寄ったのは「大渡水くみ場」だ。湧き水を引っ張っていてここで汲める場所だ。ここも普段は止まらないが、自転車だと休憩がてら寄るのにちょうどよい。家族連れが先に来ていた。湧き水が塩化ビニールのパイプから勢いよく噴き出している。子供が水で遊んでいた。奥様が気を使ってくれて子供に注意をする。そんな気を使わなくても、2本の塩ビから水がドバドバ出ているので大丈夫なのだが、ありがたく入れさせていただく。子供の遊びでちょっとだけ迷惑している事を見て見ぬふりするお母さんが多い中、普通の感覚の持った良い母だと思った。自転車で来ていることで、かなり疲れているはずだからと、気を使ってくれたのかとも思った。ペットボトルに入っている水を飲み切ってから、それを入れて200mlほど飲んでさらに満タンまで補充した。記念写真をろうとしたらその家事連れの奥様が「愛車と一緒に撮りましょうか?」と声をかけてくれた。自撮りで十分なのだが、せっかくなので遠慮なく撮っていただき、代わりに家族写真を撮ってあげた。寄付金を入れいる小屋があり寄付した。そこにツバメが巣を作っていて間近で見れた。

大渡水くみ場

愛車との記念撮影

ツバメの巣が手の届くところに

大渡水くみ場からの景色

道志の町役場付近へ。ここでかなりお尻だの太ももの付け根だの痛くなる。まいったなあ。行けるかなあ。と、少々不安になった。ハリボーやアミノバイタルでエネルギー補給をする。しばらく休んでから出発した。ここには公衆トイレもある。

ここからはどんどん山へ近づいて行く。畑と山と川の風景。車やバイクで若い時から走りなれている風景だが自転車だとまったく違って見える。数か月前もオートバイで何度か通った。娘と道志の森キャンプ場へデイキャンプをしにきたのと、一人で林道ソロデイキャンプキャンプを桜の春と紅葉の秋に二回の計三回だ。オートバイでこの道を通るのはただただ気持ちよい。漕がないのだから気持ち良いだけだ。気持ちよさの半分は「疲れ」に持っていかれる。ただその持っていかれた半分以上に充実感やマインドフルネス的な気持ちよさがあると思う。

道志みちから見える畑と奥に富士山

道志町役場近くの公衆トイレ

町役場を過ぎると次は「道の駅どうし」だ。バイカーが沢山なのでいつでも込み合っている。今日もかなり手前から凄い渋滞している。寄らずに進んだ。

だんだんと高度を上げていき、ついに山伏峠の登りが始まった。やっぱりきつい。途中一度自転車を降りて休憩した。ここを登ってしまえばあとは山中湖まで一気に下るだけだ。斜度はそれほどきつくはなさそうだが、ここまでの距離もそこそこだ。淡々と登る。決して猛烈には漕がない。倒れないで進む程度で良い。あまり頑張りすぎると帰りが怖いのだ。漕いでいればいずれ登りきる。空気圧をもっと入れたい。サドルをもっと上げたい。荷物をもっと軽くしたい。と思った。

車とバイクの波が何回来ただろう。何度も何度も波が来た。やっと峠のトンネルまで来た。疲れた。でも達成感というか喜びが大きい。あとは下れば山中湖だ。テールライトを確認してからトンネルに入った。

念願の自転車で山中湖

峠のトンネルを超えると山中湖まではずっと下り。あっという間にペンションやグランドのあるところまで来た。山中湖手前では車とバイクが大渋滞。こんなに混んでいるのも珍しい。なんとか山中湖に到着。そのまま山中湖サイクリングロードを走るか砂地を突っ切って湖畔(平野の浜)まで行くか考えたが、まずは記念撮影だと、湖畔へ行った。達成感半分、帰りの不安半分。足があちこち痛かった。お尻、太腿の付け根、膝、肩、首。体中痛い。足なんてほぼ怪我だ。こんなんで帰れるのか心配になった。ただ、幸いなことに明日が休みだった。帰りは比較的下りのはずだし、何とかなるだろう。今を楽しむようにした。

人も多かったので記念撮影して一服し、休憩場所を探すように山中湖サイクリングロードを反時計回りに進んだ。山中湖サイクリングロードを一周する。サイクリングロードは最高だった。富士山と山中湖を見ながら車のこない道をのんびり走る。これは幸せだ。

途中富士山が見える人のいないベンチがあったので食事にする。奥さんが握ってくれたおにぎりを食べる。正直言って、大げさでなく、今までで一番おいしいおにぎりだった。

山中湖とトレックドマーネ

山中湖サイクリングロード脇で食べたおにぎり

トレックドマーネと奥に富士山

ゆっくり一服してからタイヤに空気を入れてサドルを上げた。正確言うとタイヤに空気は入っていなかった。パナレーサーの携帯用空気入れの使い方を知らなくて間違えたやり方で入れていたのだ。これは後で判明したことで、この時は入ったと思っていた。逆に「プシュ」と少し抜けていたはずだ。サドルが上がったせいで偉く進むようになったのは事実だが。

山中湖畔をゆっくり一周した。休日ともあって人が多かった。車に自転車を積んできて降ろしている人もいた。山中湖サイクリングロードをのんびり自転車で走るのだろう。

平坦なので漕いでいればすぐに一周してしまう。ほどなく道志みちから降りてきた場所に戻ってきた。セブンイレブンでゆで卵等でエネルギー補給し帰りの山伏峠のへ。

往路で思う復路の不安

足の痛さはあるがそれほどではなくなった。山中湖を一周している間に少しほぐれたのだろうか。それでもいたるところを労わりながら登った。「はあはあ」と言いながらなんとか登りきる。行きにあれだけ勢いよく下ってきたのだ、帰りはキツそうだと、ビビる。登山でもいつも思うのだが、「往路で思う復路のの不安」。皆もそうなのだろうか。それでいて、いつも復路は不安なほどではないのだ。意外にあっさり帰れてしまう事が多い。脳科学ではそういった事が解明されているのだろうか。

今回も労わりながらだが往路の不安ほどではなく、あっさりではなかったが無事に山伏峠のトンネルを超えた。ここからは下りメインで長い距離を帰るだけだ。夕方の道志みちもキラキラしてきれいだ。

とはいってもやはり遠い。途中、町役場でコーラを飲んで長く休憩した。とても心地よい疲労で幸せな気分だった。旅はホントに良い。特に自転車旅では疲労が良いアクセントになるのか幸福度が高い。夕方の光が良くて、なかなか腰が上がらずボケっと休憩した。

道志村役場前のベンチで休憩

そこからもゴイゴイ漕ぐわけではなく、のんびり労わりながら漕いでいく。漕いでいればいずれ帰れる。少しづつ陽も傾き綺麗になっていく。

「すき家坂」と勝手に命名した坂を上り、城山ダムまで帰ってきた。夕日がめちゃめちゃ綺麗に見えた。帰るころには真っ暗だった。「九一麵」で博多カレーラーメンを食べた。めちゃくちゃ美味しかった。帰ると20時だった。疲れたけど最高に充実した自転車旅だった。

この時の動画


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建設業50代 元オートバイレーサー 1994年全日本ロードレース選手権125ccチャンピオン

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